奈々穂と予算
(「極上生徒会」の「金城奈々穂」の二次創作小説)



「はーー・・・っ!」
極上生徒会会議10分前。
少々早めに奈々穂が到着したとたん、不自然にアピールの強いため息が聞こえた。
「・・・。」
ため息の原因と主は分かりきっている。
そしてそれを解決する手段を奈々穂は持っていない。
ここは気がつかなかったふりが妥当である。
「はーーー!!」
もはやため息なのか格闘技の掛け声なのか判断に困るレベルに達した。
そして視線を合わせず自席に向かう奈々穂に、視線が刺さる。
・・・・・・。
「・・・まゆら、どうかしたのか?」
とうとう根負けして声をかける奈々穂。
待ってましたとばかりに応じるまゆら。
「どうもこうもありませんよ!
全然予算が足りないんです!」
予想通りの訴えである。
「そ、それは大変だな。」
「奈々穂さんも、お願いですからもう少し予算のことを考えて下さいね。」
「ああ、それは善処するが・・・」
「が、じゃありませんよ!本当に頼みますよ!」
「ああ、だがそれを言えば久遠・・・隠密だって」
「久遠さんにも言ってあります!そうですよ、何度も言ってるんです・・・何度も・・・」
そしてまたため息。
(これは・・・いつにも増して重症だな・・・)
奈々穂もつられて、内心ため息をつく。


会議が終わり、自室に戻った奈々穂はファンシーな絵本を眺めながら、
(考えてみれば・・・、確かにかなりの予算を使っている気もするな。
そもそも、予算内で収まったことはないんじゃないのか?
一体足りない予算は・・・、そうか、もしかしたら会長が出しているのかもしれないな。
久遠もいい所の箱入り娘のようだから、もしかしたら・・・。
・・・・・・?
待てよ、もしそうなら予算のフォローを入れていない重役は私だけか?)
そんなことに気付き、愕然とした。


3日後。
商店街のハンバーガーショップのカウンターに奈々穂の姿があった。
「いらしゃいませー」
予算の不足分を少しでもフォローするため、バイトを始めたのだった。
なんとかレジ作業をこなしていると、近所の男子校らしい制服の客が奈々穂をじっと見た。
「も、もしかして宮神学園の・・・」
(まさか私を知っているのか・・・!?)
「宮神学園の・・・いつも奏会長の傍にいる人!?」
(・・・そっちか)
「なんのことだが分かりかねます。それで、ご注文のほうは?」
(むやみに会長の知り合いだと言いふらすこともあるまい)
「ええー、絶対見間違えじゃねえと思うんだけどなー、なあ?」
「ああ、ぜってーそうだよ。俺も見たことあるもん。」
「え、ちょっと待てよ、奏さんの傍にいるってーと、りのちゃんじゃねえの?
この人、りのちゃんとは別人だろ。」
「ああ、りのちゃんもよく一緒にいるけどさ」
「そんで、この人、久遠さんでもないだろ?」
「ああ、久遠さんでもないけど、よく会長といるぞ」
「えー、そうなのか?俺全然見たことねえよ。」
「そういや、りのちゃんといえばさー」
と、男子3人で宮神学園トークを始めてしまった。
「あの、お客様。ご注文は・・・」
少々いらついてきた奈々穂に、男子Cの言葉が止めを刺した。
「そういえば、あんた誰?」
プチ。
「それでどうしてりののことは知っているんだ!!」
店中に奈々穂の大声が響いた。


結局宮神学園の生徒だとばれる発言をしてしまった奈々穂に、
会長に会わせてくれという男子が殺到し、
その全てを蹴散らすと、
背後に店長が笑顔で立っていた。
「はい、これ今日の分の給料。」
ここのバイトは日払いではない。
つまり、クビである。


「はー・・・。」
ため息の主は奈々穂である。
バイトをクビになった後、とぼとぼと極上寮に帰り、だらーっとしていた。
結局、手に入ったのは2400円だけである。
新しく別のバイトをしようかとも思ったが、
また今度のような騒ぎがいつ起こるともしれないので、
やめたほうがいいだろう。
(これじゃ、全然フォローにならないな・・・。)
薄い茶封筒を眺めて、またため息をついた。


翌日。
「会長。」
奈々穂は昼休みに、会長の席まで赴いた。
「あら、奈々穂さん。」
「少々相談があるのですが・・・」


「まあ、そんなことがあったの。」
「はい。それで、私はどうしたらよいのかと思って・・・。」
「そうね・・・。でも、どうして急に?」
「いや、もしかしたら会長も久遠も、
予算になにかしら援助をしているのではないかと思って、
それで、」
「え?」
「・・・え?」
「私も・・・たぶん久遠さんも、資金援助はしてないと思うわよ?」
「え、でも、それじゃあ予算は・・・」
「オーバーしたことはないわ。さすがまゆらさんね。」
「あ、あれだけ使ってオーバーしてないんですか!?」
「ええ。少なくとも私はそう聞いているわ。」
「なんだ・・・、そうだったのか。」
一気に脱力する奈々穂。
そもそも、会長らが資金援助と思い込んで、
確認もせず突っ走ったのがいけないのだが。
会長はそんな奈々穂に微笑みかけた。
「でも、やはりまゆらさんは予算管理に苦労していると思うわ。
だから、例え少なくても、奈々穂さんの気持ちを示したら、
まゆらさんもきっと喜ぶんじゃないかしら。」
「・・・そうですね、ありがとうございました会長。」
「いえ、よくやってくれましたね、奈々穂さん。」


「ええ!?奈々穂さんが・・・バイトで!?」
薄い茶封筒を渡すと、まゆらは心底仰天した。
「少なくて悪いが・・・、一応、予算のたしにしてくれ。」
「ええ、本当に、ありがとうござます奈々穂さん。
ああ、他の皆も奈々穂さんくらい予算を気にかけてくれたらいいのに・・・」
「ははは、これからも、なるべく気にかけるようにするよ。」
「ええ、よろしくお願いしますね。」


1週間後。
「奈々穂さん、学園に不法侵入者が!」
「よし!小百合、れいん!」
「ポイントが少々遠いので、シンディさん車お願いします!」
「ラジャー」

「ああっ!車が!!」
「大丈夫か!」
「昨日用意した宮神学園専用人工衛星によれば、無事そうですわ。」
「人工衛星!?久遠さん、その経費は・・・・・・」
「仕方ない!では、今朝用意した対不法侵入者用のトラップを使え!」
「トラップって・・・奈々穂さん!?その経費は・・・・・・」
「今は有事だ!」
「そんなあー・・・」


会計ねーちゃんに心休まる日は来ない!
頑張れ会計ねーちゃん!
負けるな会計ねーちゃん!
きっといつか金の延べ棒がわんさか振ってくる!(わけないか)

END.


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こんなとこにあとがき。

またもや単になにか書きたいなーと思って書いただけです。
もはや予想で書いているので、
実際予算がどうなってるのかは知りません。
どうなってんでしょうね。あれで予算オーバーしてないのでしょうか。
そして宮神学園ってバイト禁止ではないんでしょうか?
あーたくさんの公式設定が知りたい今日この頃。
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