あのキャミソール
(ときメモ3の芹華の二次創作小説)



「ショッピング?」
「はい。」
初夏の屋上で、のんびりと昼休みを満喫している時だった。
今週の土曜に、一緒にショッピングをしようと恵美が言った。
「ショッピングって、一体何を買うんだい?」
「そうですね、やはり服でしょうか」
「服かぁ・・・。まあ、いいよ。行こうか。」
芹華が了承すると、恵美はにこりと微笑んだ。



土曜日。午前10:30.
待ち合わせは10:00である。
が、待ち合わせ場所の商店街に到着しているのは恵美だけだ。
(芹華、また遅刻ですね・・・)
恵美自身、遅刻は好きではないが、さすがに慣れた。
それに、芹華には、決して教えてくれない謎の事情が色々あるようだ。
おそらく芹華がよく遅刻してくるのもそれに関連しているのだろうと、恵美は考えていた。
それに、遅れて来た時の申し訳なさそうな芹華の表情を見ると、
どうしても責める気にはなれない。
「恵美ー!」
なぜか学校の方向から走ってくる芹華。
「ごめん、いつもいつも・・・。またヤボ用が入っちゃってさ・・・。」
「いいえ、今度からは気をつけてくださいね。」
「ああ、本当にごめん」
「いいんですよ。では、行きましょうか。」



土曜日の商店街は、やはり少し混んでいた。
「どうにもこの人ごみには慣れないな・・・」
「でも私たちもその一部ですし、我慢しましょう」
「ああ、うん、まあそうなんだけどね」
少し歩いてから、ブティックに入った。
芹華はいつも通り、いつも通りな感じの服を物色する。
恵美は軽く店内を見回し、いくつか服を手に取ると、芹華の方へ向かった。
「芹華、ちょっと試着してみませんか?」
「え?」
見ると、芹華がいつもは着ないような、少々女の子らしい服だった。
「恵美、悪いけどあたしは、そういうのはあんまり・・・」
「ちょっと試着するだけでもいいんです。」
(あたしは着せ替え人形じゃないぞ、恵美・・・)
「ああ、でも遠慮するよ。」
「そうですか・・・」
とたんに悲しみでいっぱいな表情になる恵美。
「う・・・、分かったよ、試着だけでいいんだな?」



試着室で改めて、恵美が持ってきた服を見る。
女の子らしいキャミソールが3種類だ。
(・・・仕方ない、試着だけだからな。)
「芹華、着ましたかー?」
「まだ試着室に入ったばかりだろ。」
「着たら教えて下さいねー」
「分かってるよ」



「恵美、着たよ」
試着室のカーテンを開けて恵美に声をかけると、
「まあ、やはりそういう服も似合いますね。
はい、これもお願いします。」
さらに3着の服を渡された。



12着目のキャミソールを着て、試着室のカーテンを開け、うんざりと恵美に声をかける。
「恵美、これで終わりだよな?」
「ええ、もう少し色々着て欲しいですけど、今日はこれくらいで。」
(今日はってなんだ、恵美)
「ああ、これで終わりだな。」
「今日は、ですけどね。」
「・・・・・・。」



芹華が元着ていた服に着替え、試着室を出ると、もうそこに恵美はいなかった。
「・・・恵美?」
見回すと、恵美はレジにいた。
「なんだ、ちゃんと自分の服も見てたんだな。」
のんびりと、会計が終わった様子の恵美に歩み寄る。
「恵美、何買ったんだい?」
恵美は振り返ると、ニコリと微笑んだ。
「誕生日プレゼントです。」
「へえ、だれか誕生日なのかい?」
「ええ。随分遅れてしまいましたが、…喜んでいただけると思いますか?」
「ああ、そりゃ心配ないと思うよ。プレゼントをもらって嫌がる奴なんかいないよ。」
「そうですか?よかった・・・」
「で、誰の誕生日プレゼントなんだ?
あたしはクラスメイトの誕生日ってあんまり知らないんだよな。」
恵美は微笑んで紙袋を渡した。
「芹華、2ヶ月ほど遅れましたが、誕生日おめでとうございます。」
「・・・え?」
「・・・やはり、これだけ遅れてしまうと駄目ですか?」
「いや、駄目なんて、そんな・・・。あたしの誕生日なんて入学してすぐだし。
でも、こんな・・・、わざわざ悪いよ。」
「気にしないで下さい。・・・誕生日プレゼントは口実ですから。」
「口実だって?」
「ええ。口実のおかげで、今日は色んな芹華が見れましたから。」
「・・・あたしは着せ替え人形じゃないんだぞ?」
「迷惑・・・ですか?」
「いや、そんなことは・・・。哀しい顔は卑怯だぞ、恵美。」
「そうですか?・・・とにかく、もらってくれますね?」
芹華は一瞬躊躇したが、結局紙袋を受け取った。
「…ああ、その、ありがとうな。」
「はい。」



買い物から1週間後の土曜。
日の出とともに起きて、朝食のコーヒーを飲む。
(・・・そういえば、今日はあいつと遊園地に行く約束だったな。
今日こそは仕事がないから、時間通りに行けるかな。)
適当に持ち物や服の準備をして、ふと紙袋が目に止まる。
(そういえば、まだ紙袋に入れっぱなしだったな。学校に着てくわけにもいかないし。)
包装を取って見ると、試着室で最初に着たものだった。
(うわ・・・、やっぱりこれはちょっとな・・・。)
芹華の好みは革ジャンやシャツ等である。キャミソールは着たことがない。
(まあ、今度恵美と出かけるときにでも着ていくか。一応な。)

待ち合わせの1時間前。
用意した服に着替えようと思ったが、さっきのキャミソールがまた目に止まった。
(うーん・・・、まあ、たまにはいいか。)



END.


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こんなとこにあとがき。

夏のデートで、なんでキャミソール!?
って思いませんでしたか。
せ、芹華どうしちゃったんだ!?って。
僕は思いました。
まあ芹華は何着ても似合うんですがね。
で、これを書いたわけです。
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