ロボ
(ときメモ3の二次創作小説)



「ねーねー、神条さん!」
4時間目の授業が終わった直後のこと。
その特徴的なアニメ声に振り返ると
満面の・・・むしろ何か不吉な笑みを浮かべた河合がいた。
「やあ、理佳ちゃんか。
どうしたんだ、あたしに何か用かい?」
「うん!そうなの〜。
ちょっと屋上で一緒に昼ごはんでも食べながら話そうよ」
「あ、ごめん。悪いけど、あたしは昼は食べないんだ」
「ええー?そんなの栄養学的にもよくないよー。
それなら私のお弁当分けてあげるから、とにかく行こうよ〜」
「いや、でも」
「ほらぁ。早く早くー!」


結局芹華は屋上まで連行された。
少々迷惑顔な芹華をよそに、
河合はにこにこと弁当入れらしき袋を開けると、ポテチの袋を取り出した。
「はい、どーぞー」
「いや、いいよ。本当、いつも食べないしさ。
それに、そう、そもそもあんまりお腹がすいてないんだ。悪いね。」
(栄養云々言う割りに、ポテチだけじゃないか、弁当。)
「ええー。遠慮なんてしなくていいのにー」
「それよりさ、なんなんだい。話っていうのは。」
「ぶぅー。話をすり替えたー」
(うっ・・・聡いな・・・)
しかし河合はすぐにふくれっ面を直し、
また満面の笑みを浮かべた。
「えへへ、実はねー。
ちょっと実験に協力して欲しいんだけどー」
「実験だって?」
なにやら不穏な言葉だ。
「あー!そんな警戒しないでよー。
大丈夫だから!安全性は私が保証しちゃうんだから!」
「悪いけど、あたしも色々忙しくてね。
協力する時間が取れそうにないな」
芹華はかぶりを振って断ったが、
これは嘘ではない。
実際問題、普通の女子高生ではありえない用事で忙しいのだ。
「大丈夫だよ〜。
今日の放課後、ちょっとだけ理科室に来てくれるだけでいいからぁ。
・・・ね?」
「ちょっとだけっていっても・・・。
そもそも、それ、一体どんな実験なんだい?」
「来れば分かるよ!それまでのお楽しみ〜。
じゃ、今日の放課後、待ってるね!約束だよ!」
と、言うが早いかいつの間にか食べ終わった弁当(?)を片付け
河合はさっさと行ってしまった。
「え!?ちょ・・・ちょっと待てよ!約束って・・・」
当然芹華の言葉は聞いてもらえない。
芹華は額に指を当ててうつむいた。
「・・・あーあ。どうしろっていうんだよ・・・」


放課後。


「芹華ちゃん!」
「なんだ、お前か・・・
何か用かい。」
「よかったら一緒に帰らないかな、と思って」
「そんな暇はないね。用事があるんだ・・・じゃ。」
芹華は不機嫌そうに、声をかけた男子生徒から遠ざかっていった。
(・・・き、機嫌悪かったのかな)
男子生徒は仕方なく、とぼとぼと一人で帰宅した。



芹華は理科室の前まで来た。
(約束を破るのは最低だからな・・・。
でも、あれって約束って言えるのか?まあ、いいや。
とっとと終わらせて帰って寝よう)
芹華は仕方なく理科室のドアを開けた。
「理佳ちゃん、いるかい?」
しかし、誰もいない。
芹華は後頭部に手をやり、ため息をついた。
「・・・まいったな」
(待てよ。これならもう帰ってもいいんじゃないかな。
遅刻する方が悪いんだからな。よし、帰ろう)
そう思って芹華がドアに手をかけたとき。
『やったぁ!来てくれたんだー神条さん!』
「え?」
特徴的な声が、さらに機械っぽく特徴的になっている。
しかもズシンズシンという効果音付で近づいてきている。
恐る恐る声がしたほうを見ると
河合は窓の外だった。というか、あれは本当に河合なのか。
校庭を歩いて近づいてくるロボットが見える。
どうやら声の発信源はそれらしいが。
「り、理佳ちゃんなのか!?一体どうしたっていうんだ!」
思わず窓に駆け寄り、もともと空いていた窓から身を乗り出し、
呼びかけてみる。
『えへへ、すごいでしょー!
ちょっと待ってねー。そっち行くからー。
あ、危ないからちょっと窓から離れてねー!』
言われたとおり、芹華がぱっと窓から離れると
直後にロボットが到着し、軽くぶつかって窓がパリパリと割れた。
そしてコックピットとおぼしき辺りから河合が出てきた。
「あーあ、やっぱり割れちゃったー。
まだまだ改良の余地が残ってるなぁ〜。」
と、ロボと窓とを見比べた。
「理佳ちゃん、これは一体・・・」
河合はその声でようやく芹華のことを思い出したのか、
ぱっと振り返り、芹華の手を取った。
「さぁ!これに乗ってみてね!」
「は!?」
完全にあっけに取られる芹華をほぼ無視して河合は話を続ける。
「神条さんって運動神経いいし、
あと、ちょっと不思議な力を持ってるよね。」
「!」
「それがどんな力なのか、まだ解析の途中なんだけど・・・
その力を活かせそうな武器を考えたの。
小さいビーム発射装置をたくさんつけて、
それを意志の力で遠隔操作するの!
それで、その武器持ってきたからちょっと試してほしいの!」
「え?」
一体何から言えばいいのか分からない。
言いたいことは山ほどあるが・・・。
「ちょっと待ってくれよ、理佳ちゃん。
そんな変な力、あたしにはないよ。
何かの勘違いじゃないかな・・・?」
河合はぶぅっと頬を膨らませた。
「勘違いなんかじゃないもんー。
神条さんの色んなデータを分析してたら
変な結果が出たんだもんー。
絶対なにかあるよー。気付いてないだけだよ、絶対!」
「データって・・・いつの間に・・・」
「いいから早く乗ってみてよー。ほらぁ!」
「わっ!」
どんと背中を押され、芹華はコックピットに落ちた。
「痛てて・・・」
とたんにコックピットが閉まり、閉じ込められる。
一瞬暗くなるが、すぐに明るくなり、外の景色がよく見えるようになる。
『え、おい!どうするつもりだなんだ、一体!』
言ってから自分の声に驚く。
ロボに乗っていた時の河合と同じような機械っぽい効果がついている。
『い、一体これは・・・。』
『神条さーん、聞こえる?』
河合の声がまだ機械的なのは、おそらくこの機械(?)を通して聞いているからだろう。
『理佳ちゃんか!?これは一体・・・』
『コックピットにちゃんと座った?シートベルトもつけてねー』
『座るって・・・、これ、座席なのか?』
訳が分からないまま、とりあえず指示に従う芹華。
『ちゃんと座ったけど、一体何なんだい、これは?』
『じゃあ今度は校庭を見てー』
『校庭?』
(見るったって、どうやって・・・、これ・・・か?)
適当に操作し、なんとか回れ右して校庭に向き直る。
『!!』
校庭には、白っぽい感じのロボットが1体。
『じゃ、実験開始ー!神条さん、頑張ってやっつけてね!』
『やっつける!?』
芹華が事態を飲み込むより早く、白いのは向かってきた。
(実験って・・・。本当に安全なのか!?)
芹華が戸惑う間にも、白いのは距離を縮め、光る剣のようなものを振りかざしてくる。
(! 危ないだろ!)
とっさに適当に操作し、攻撃をかわす。
芹華がさっきまで居た場所に光る剣もどきが当たり、ドカンと校舎を破壊する。
(あれって、当たってたらあたし死んでたんじゃないか・・・?)
白いのと距離を取りつつ、急いでコックピット内を観察する。
(どれが武器なんだ!?せめてマニュアルでも置いといてくれればいいのにな!)
芹華が攻撃をかわす度、校舎が破壊されてゆく。
(くっ・・・、時間がないな!このままじゃ学校が!)
仕方がないので、観察をやめ、勘に頼ることにした。
(あたしの勘はよく当たるはず!)
そして適当に操作すると、小さいビーム発射装置?らしきものが射出された。
(これは・・・あたしの意思で動かすんだよな?理屈は分からないけど)
そして白いのと大きく距離を取り、同時に小さいビーム郡で滅多打ちにする。
爆煙に包まれ、白いのが見えなくなる。
(やったか!?・・・いや、まだだ!)
直感的にそう判断すると、さらに距離を取る。
・・・が。
白いのは爆煙と共に消えていた。
精神を鎮め、勘で操作して光る剣を出しながら、気配を探る。
・・・。
・・・・・・。
(そこか!)
芹華は真上に光る剣をかざした!
同時に、真上から奇襲をかけようとしていた白いのの胴体を貫く!
(まずい!)
とっさに剣を手離し、大きく後ろへ跳ぶと、
一瞬遅れて白いのが大爆発した。
轟音が収まると、ジャンクと化した白いのが目に入った。
(・・・やったか。それにしても・・・)
そしてぼろぼろになった校舎も目に入った。
(どうするんだ、これ・・・。そもそも、理佳ちゃんは無事なのか?)
『はい、実験終了ー!ありがとうー神条さん!』
声は妙に近くから聞こえた。
『い、一体どこに・・・!?』
ぷしゅー。
気の抜ける音と共に、コックピットが開いた。
外を見ると、戦闘前と変わらない理科室があった。
そして満面の笑みを浮かべた河合も。
「あ、あれ?」
あわててシートベルトを外し、コックピットの外へ躍り出ると、
理科室の窓から校庭を確認する。
戦闘前と同じだ。
「これ、一体・・・」
「すごぉい、神条さん!神条さんって、やっぱりニュータイプだったんだね!」
「ニュータイプだって?」
「突然モビルスーツに乗ってもしっかり戦闘して、しかも勝っちゃうなんて!
やっぱり私の見込んだ通りだったよ!」
「ま、待ってくれよ河合さん。あたしは何がなんだか、さっぱり・・・」
河合はちょっと落ち着き、しかしまだうきうきしながらも会話に応じた。
「えへへ、校庭が無事なのが不思議?」
「ああ、そりゃあな。」
「さっきの戦闘はバーチャルだったの!コックピットから見れば実際に起きてるようでも、
あれは私が作った音声と映像で構成された虚構の世界だったの!
だからいくらバーチャルリアリティの中で学校を破壊しても、現実にはなんの影響もないんだよ!」
「へ、へえ、そうなのか・・?」
芹華の表情から、理解していないのを見てとった河合は、さらに説明を加えた。
「つまり、ゲームみたいなものだったんだよ。」
「なるほど、ゲームか」
(つまり、この前あいつがやってた、大型体感ゲームとかいうやつみたいなもんか・・・?)
「分かってくれた?てへへ、すごいでしょー」
「ああ、すごいな。あれ、理佳ちゃんが作ったのかい?」
「勿論だよぉ!神条さん、実験に協力してくれてありがとうね!」
その時。
ガラッ
「おい、なにかすごい音が・・・。・・・!
ど、どうしたんだその窓!それに・・・キュベレイ!?」
「げ」
「先生、キュベレイ分かるんだー!」



結局、二人揃って1時間ほど説教をくらうはめになった。
学校は破壊しなかったが、理科室の窓は確かに破壊したわけで。
しかも持ち込み禁止物(?)と思しきロボットの持ち込み。
芹華は主犯(?)ではないが、まあ、連帯責任だ。



「芹華ちゃん、おはよう!」
「芹華、おはようございます」
「やあ。おはよう。二人とも、朝錬は終わったのかい?」
「ええ、ところで芹華、聞きましたよ。」
「・・・聞いたって?」
「とぼけるなよ、芹華ちゃん、ニュータイプだったんだって?」
「は?」
「私はにゅーたいぷというのはよく分からないのですが、とにかくすごいらしいですね。」
「ま、待ってくれよ、一体誰がそんなこと・・・」
「河合さん」「河合さんです」
「・・・・・・」


それからしばらく、芹華=ニュータイプもしくは強化人間説が学校内を駆け巡ることとなった。

END.


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こんなとこにあとがき。

河合・・・アニメ・・・ロボット・・・ガンダム・・・。
芹華・・・妙な力=ニュータイプ。
そんなこんなで描いたSSです。
ガンダムそんなに詳しくないので戦闘描写ぼかしまくりです。
このSSの存在意義は・・・Zガンダム映画化ありがとう!か。
でも、僕が大好きなハマーンが出るまではまだまだ待たねばなるまい。
少なくとも、絶対第一部では無理だ。
フォウくらいまでなら出るかな。フォウもいいよな。
でもやっぱ一番はハマーンだ。うん。
「ハマーンの嘲笑」の回とか、すごくいいです。
むしろZZのハマーンがいい。
ZZは敵キャラが大好きだ!プルツー、悲しすぎるよその終わりは!
マシュマーなんかも、あの馬鹿さがどうにも大好きだ。
・・・ん?いつの間にやらガンダムトーク。
えーと。
芹華大好きだー!(フォロー)
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